一章飛ばして、学而編最終節に進む。 子曰、不患人之不己知、患己不知人也、 (子の曰わく、人の己れを知らざることを患(うれ)えず、人を知らざることを患(うれ)う。) どうも、しっくりこない。 単に学問に関する文章でないからではない。 学而編に限らず、各編の最終節は凡庸な警句めいたものが並んでいる。 例えば、 爲政編では、「子曰、非其鬼而祭之、諂也、見義不爲、無勇也、」。まあそりゃそうだ・・・。 最後の尭曰編では、「孔子曰、不知命、無以爲君子也、不知禮、無以立也、不知言、無以知人也、 」。お説ごもっとも・・・。 これらは、論語が最終的に正式編纂される直前に、おそらく時代は下って前漢時代に挿入されたと思われる。 その意図は不明ながら、後世の加筆として除外したい。 従って、事実上の最終節はその一節前、 子貢曰、貧而無諂、富而無驕、何如、子曰、可也、未若貧時樂道、富而好禮者也、子貢曰、詩云、如切如磋、如琢如磨、其斯之謂與、子曰、賜也、始可與言詩已矣、告諸往而知來者也、 (子貢が曰わく、貧しくして諂(へつら)うこと無く、富みて驕(おご)ること無きは、何如(いかん)。子の曰わく、可なり。未だ貧しくして道を楽しみ、富みて礼を好む者には若(し)かざるなり。子貢が曰わく、詩に云う、切するが如く磋するが如く、琢するが如く磨するが如しとは、其れ斯れを謂うか。子の曰わく、賜(し)や、始めて与(とも)に詩を言うべきのみ。諸(こ)れに往(おう)を告げて来を知る者なり。) ということになる。 (続く)
by 2-shikou
| 2007-12-17 20:27
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