春秋時代の人々は、「人」、「民」、「臣」を同意義に使っていたのでしょうか。 勿論、身分の上の人物に対し、例えば「臣」と自称することはありますが、これは一種の謙譲語ですね。 答を導き出す前に、もう一度、当時の身分構造をご覧下さい。 諸侯(公) ↓ 卿(上卿、中卿、下卿に分かれる) ↓ 大夫(上、中、下に分かれる) ↓ 士(国人とも。ここまでが支配者階級、参政権があったと考えられ、これにも上、中、下がある) ↓ 庶民(二級市民、あるいは不自由民) ↓ 奴隷(春秋時代、男は「臣」、女は「妾」と表現した) この表に当てはめると、「人」は士(国人)以上、「民」は「庶民」、「臣」は奴隷ということになります。 辞書を引きましても、「民」は「亡民。国を失った人間集団」であることが分かります。 当時は「人」「民」「臣」を厳密に分けていたと思われます。 では、本節の最後、「〇有恥且格」の〇の部分に、「人」「民」「臣」のどれかを入れると、何になるでしょうか。 「人」が正解と思われます。 (続く) 追記 「春秋の風 論語の心 孔子の生」の「春秋編」、「論語編」、「孔子・弟子・家族編」を、宮崎市定先生に捧げます。
by 2-shikou
| 2008-01-10 22:17
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